今月の言葉

100年後には

2007年02月01日コメントをどうぞ

kotoba_1902

平成19年2月1日

今、地球上では人類史上かってなかった様々な問題をかかえています。温暖化の影響もあり、絶滅に向かっている生き物が増えており、私達にとって身近な存在のカエルも絶滅に向かっているそうです。このまま温暖化が進めば、約100年後には、海面が6~7メートル上昇するとの事です。

人間が排出する二酸化炭素が、温暖化の要因のひとつと言われるわけですが、人間が、便利で豊かな生活を手に入れる為に行って来た事が、大変な状況を生んでいるわけです。そんな状況にもかかわらず、地球上では国同士の争いが絶えることがありません。各国の代表が、宇宙船に乗り、宇宙の中に存在するたった一つのかけがえのない地球を眺めながら、話し合いを持ったらどうでしょう。そんな事でもしない限り、人間の行いは変わらないと思います。

100年後には、今生きている私達は、この世にはいないわけですが、だから何もしないというのが、一番怖い事かもしれません。

今更、カマドで火をおこし、ご飯を炊くなどという事は出来るはずもありませんが、少しは、今よりも不便な生活を心がけてみる事も、必要だと思います。

今月は節分の月です。「節分」といえば、立春の前日を示すようになりましたが、元はといえば、立春・立夏・立秋・立冬の、前の日はすべて節分です。昔は「立春正月」といい一年の始まりを立春に求めた事から、「節分」と言えば、立春の前日を示すようになりました。

節分になると、豆には「邪気を払う霊力」があると考えられていた事から、豆を蒔く事で、邪気を払い、福を呼び込む事を願い「豆撒き」をしたり、玄関から入る邪気を防ぐ為に、鰯(いわし)の頭を焼いて、ヒイラギの葉に刺し、家の入り口に置き、鰯の頭の悪臭で、邪気を防ぐというような風習が行われてきました。

本来私達人間は、自然の摂理の中で、思うにならない事の多い現実を受け入れながら、いろんな思いや願いを込めて、自然との共生を考えながら生きて来たのだと思います。営まれてきた、昔ながらの風習から、自然との付き合い方、見直していく事も「節分」の月の持つ意味ではないでしょうか。

繭の穴

2007年01月01日コメントをどうぞ

kotoba_1901

平成19年1月1日

今年もまた、生き生きと、生きる喜びしっかりと見つめて、明るく前向きに過ごしていきたいと思います。

ある男が、繭から出ようとしている蝶を前にして、その蝶が小さな繭の穴から出ようと、もがき苦しんでいる様子をじっと見ていました。何度も動きが止まり苦しみもがいている蝶を見て、その男は、これ以上は無理だと感じ、蝶を助けようと繭の穴を少し切ってやりました。そのお陰で蝶は繭から何の苦労もなく出る事が出来ました。しかし、蝶の体は生気が感じられず弱々しく、やがて蝶は、弱々しい羽を引きずり、あたりを這い回るだけで、一度も空を飛ぶ事無く一生を終えてしまいました。

小さな繭の穴から出ようともがく蝶に与えられた苦しみは、蝶が繭から外に出た時にすぐに空に舞い上がれるように、強い蝶を育てる為の自然の摂理であった事を男は知らなかったのです。

この蝶の話は、今の私たち人間の姿にだぶるような気がしてなりません。人間も、過保護に育つと、世間の荒波を乗り越えられない弱い人間になってしまう事でしょう。もうなっているのかも知れません。今の豊かな世の中が、有難い事には違いありませんが、本当の豊かさのあり方、そして自然の摂理、しっかりと考えてみたいものです。

平成18年は、丁(ひのと)・亥(い)歳です。丁は万物がさかんになる事。亥は万物が次の時代の種となる事。というような意味を持ちます。世の中が、人間の営みが、経済が盛んになり、次の時代を養う元気な種(元)となる事が出来るような、豊かで有意義な歳にしたいものです。

亥歳ですが、猪突猛進とならぬよう、時には足元と周りを見ながら、自然の摂理にも思いをめぐらし、スピードを変え、上手に立ち回りましょう。

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