NHK教育テレビの『SUIXTUTI INNTABYU 達人たち』でのジャズピアニスト山下洋輔さんと解剖学者養老猛さんの知的好奇心に富んだ会話はとても勉強になりました。
養老さんに、燃えていくピアノを演奏した事など過去の様々な演奏について聞かれると山下さんは、「演奏は良かったとか悪かったとかではないですね。やった事はやった事。今、その時やりたい事をやればいいんです」と。これは自分のやった事にはちゃんと責任を持ちなさいというメッセージだと思いました。
山下さんが養老さんに「昆虫は音でコミニケーションを取っているんですかね」と聞くと、「昆虫は音を出してますが、それは単なる空気の振動です。音は消えていくので、あとくされがありませんから。誰かに悪口を言われたとしても、それはしょせん空気の振動だと思えばいいんです」。
山下さんが「やった事はあとくされ無く捨てていく。これはジャズですね~」。というと養老さんが「自分ってなんだ、なんて考えても無駄ですよ。みんなまともな自分があると思いたいだけなんですよ」と。なるほど~と思いました。
最後にこれからの夢は何ですかと聞かれると、山下さんは「夢は人がつくってくれるものですよ。だって今までの自分の人生はご縁があり人がつくってくれたものですから。これからもずっと夢を見ていたいですね」と。養老さんは「夢が実現するのは難しい」と一言。
そして養老さんが「人は徐々に死んでいくんですよ。人が死ぬのを納得するのは難しく時間がかかる。だから1周忌・3回忌と続くんです」と言われたのも納得のいく、いい話だと思いました。
毎日を興味深々で生きているお2人のお話はとても面白い対談で、聞いていて毎日が楽しくなる気がしました。私達も毎日を興味深々で楽しく過ごし沢山の発見をしたいものです。