平成18年3月1日 「暑さ寒さは彼岸から」
「我が家にも 抵抗勢力 妻むすめ」「片付けろ!言ってた上司が 片付いた」今年もまた、第一生命による恒例の「サラリーマン川柳コンクール」の全国入選作品100選が発表されました。今回で19回目となるそうで、約2万句の応募作品から流行や職場、家庭などを題材にした名(迷)句が選ばれました。「ダイエット 食費以上に 金かけて」「妻の口 マナーモードに切り替えたい」「少子化を 食い止めたいが 相手なし」などと、サラリーマンの悲哀ネタは健在で、世の中の世相と本音が見え隠れし実に味わい深い川柳です。
しかし、笑っていられない現実も見え隠れして考えさせられる事も多々あります。「少子化」の問題などは大問題です。過去の歴史の中で「国が滅びるときは人口が減っていく」と言うような事を聞いた事がありますが、いったい日本の将来はどうなるのか心配は絶えません。
当たり前といえば当たり前の事ですが、1人の人間がいれば、必ず父と母がいます。その父と母にもそれぞれ父と母がいるわけです。そう考えていくと10代さかのぼると1024人の命。さらに20代さかのぼると、なんと200万を越える命の数になります。しかも、その中の命が一つでも欠けると今の自分の命は無いわけです。
結婚はしていても、「子供はつくりません」などと言う人がいますが、もしその人の親や先祖にそんな人がいたならば、今のその人の命も無いわけです。やむおえない事も多々あるわけですが、生命誕生以来続いてきている私達のこの命、自分で絶やすことなく子々孫々伝えたいものです。そんな事を思い考えるのも「お彼岸」なのかもしれません。
「暑さ寒さも彼岸まで」と言いますが、「節分過ぎてななゆき」も良く聞く言葉です。ななゆきとは七回ゆきが降るではなくて、一週間が七回行(ゆき)ゆくという意味です。節分から「ななゆき」して七週間経つと、ちょうど彼岸明けの次の日になります。そこで「暑さ寒さも彼岸まで」と言う事になるわけです。昔の人は上手いこと言ったものです。しかし、「彼岸まで」と言うと油断するので「暑さ寒さは彼岸から」と思いたいものです。
「一週間 七回ゆきて 春となる」