平成19年9月1日 「3分間待つのだぞ」
「3分間待つのだぞ」。40代以上の人には懐かしい大塚食品「ボンカレー」のCMです。日本経済新聞で、『「3分間待つ」今は昔?』という面白い記事を見ました。
「ボンカレー」は3分間待つだけで手間なしで簡単に食べられたので、40年続くヒット商品になり、日清食品の「カップヌードル」もお湯をカップに注いで3分間で、手軽に食べられ、今なお人気商品となっています。
3分間を取り上げると、料理番組の「キューピ3分クッキング」。ボクシングの1ラウンドも3分間。ウルトラマンが地球上で活躍できる時間も3分間。砂時計も3分間が多いそうです。このテレホン法話も約3分間です。
3分間と云うのは、長過ぎず短過ぎず、心理的にもちょうどいい時間で、私達の生活に一定の時間基準として浸透しており、身近な存在なのだそうです。
といころが最近は、時代と共に変化も出ており、大塚食品は電子レンジで2分暖めて食べられる「ボンカレー」を発売しています。ちなみに1分を縮めるのになんと35年かかったそうです。従来3分だった即席麺の調理時間も1分から5分までと多彩になっています。
さらに、「3分間のドラマ」と呼ばれた歌謡曲も形式にとらわれないアーティストが増え1曲の時間が5分に近づく曲も増えていて、NHKの「ラジオ体操」も3分余りだったのが、最近の「みんなの体操」では、のんびりしたテンポで5分弱に長くなっているそうです。
こうした背景について、利便性を追求して時間短縮に力を注ぐ動きや、味や品質の向上を進め時間を延長する動きもあり、「日本社会の成熟化を反映している」というような見方があるとの事でした。
『「3分待つ」今は昔?』。この機会に、じっくり時間をかけて、人間の成熟化も考えてみたいものです。