平成19年8月1日 「お盆の事」
お盆を前に、「お盆がきましたら、毎日お墓参りに行くですけど、よ~考えてみたら御先祖様はお家に帰っとんさるですけぇ、お墓は留守じゃないですかな?」と尋ねられました。
確かにそういう状況設定のもとにお盆は成り立っていますから、お墓は留守になります。
昔の人は、留守のお墓は私達が掃除をして火を燈して、ちゃんと守りますから、安心してお家に帰っていて下さい。と、留守番の気持ちを込め、さらにお墓にはお留守番の御先祖様もおられるので、その方の為にお供え物を持って毎日お参りに行きました。お盆のお墓参りには留守番の思いがこめられていたわけです。
外出して家をあけたとき、英語では「アブセント」といいます。まったく誰もいない、不在という意味です。同じ事を日本語では「留守にする」という言い方をします。「留守」と云う字は、「留まって守る」と書きます。と云うことは、自分達は外出しても「留まって守ってくれるものがいる」というわけです。目には見えないけれども、「家」を守ってくれる「人」がいるという事を昔の人は感じ取っていたのです。
神さま、仏さま、御先祖さま、目に見えない「さま」の事を「お陰さま」といいます。
私達は自分ひとりで生きているのではなく、いろんな方に守られているんだと言う事を考えるのも、お盆の大切な意味ではないでしょうか。