今月の言葉

マンダラ

2005年03月01日コメントをどうぞ

kotoba_1703

平成17年3月1日

アメリカのフロリダ州にエバーグレイズという広大な湿地帯があります。40年ほど前に湿地帯の開発が進み人間の住む住宅地となりました。しかし自然が破壊され、多くの野生動物が絶滅し、さらには埋め立てた湿地帯が地下水の汲み上げによる陥没で、民家の崩壊が起こるようになりました。この現実から、「母なる自然に誤らなければいけない」ということで、今一兆円の費用を賭けて、エバーグレイズの広大な湿地帯を元に戻す自然再生が行われているそうです。しかし元通り自然が再生するには約30年かかると言われています。

地球上ではこの500年の間に実に784種の生き物が絶滅しました。その原因のほとんどは私達人間です。人間が自然破壊を繰り返し、空や大地にダイオキシンなどの有害物質をふりまき、その有害物質が食物連鎖によって最初は小さな生き物から、それを餌とする大きな生き物に凝縮されてゆき、やがて多くの奇形や生殖機能の低下をもたらし絶滅へと進んできました。この恐ろしい現実、これは人間の将来の姿かもしれません。

「マンダラ」という言葉は多くの人に知られ、宗派を問わず各家庭にもお祀りされています。マンダラとはインドの言葉で、「集まる」という意味を持ちます。何が集まるかというと、人にかぎらず、多くの色々な姿や形をした生き物がお互いの立場を尊重し、それぞれがその役割を果たしながら、持ちつ持たれつ仲良く共存共生して集まっている姿。この姿状態の事を「マンダラ」と言います。私達人間はたった一つの地球で、多くの生き物と共存共生していかなくてはなりません。まさに地球上は「マンダラ」の世界です。

今、私達人間は野生動物からの無言の問いかけに、どう答えていくかが求められています。

熊が出たからといって慌てて撃ち殺しているようでは、人間の未来もないと思います。熊やイノシシを山から出るようにしたのは他ならぬ人間です。

自然の脅威を嫌と言うほど感じさせられる昨今です。フロリダの人達の「母なる自然に誤らなければいけない」という言葉、考えさせられ身にしみます。

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