＊とあるテレビの番組で『さよならブルートレイン』という番組を見ていたら『出雲号』の映像が映し出された。２００６年３月１７日の『出雲号』最後の雄姿だった。

身延山久遠寺での小僧生活を送った高校時代、そして東京での妙法寺で小僧をしながらの学生時代何度もお世話になった『出雲号』の姿はとても懐かしかった。

身延山に帰るときは、『出雲号』を朝４時半頃に沼津で下車し、東海道線を各駅停車で下り富士駅から身延線で身延へ向かった。朝が早いので毎回車掌さんに「起こしてください」とお願いし起こしてもらったが、朝早くまだ真っ暗の駅はとても心細い思いがしたものだ。

お盆の頃に東京から帰るときに『出雲号』の切符が取れず、今のようにコンピューター管理されていない頃なので、毎日高円寺駅や中野駅に「キャンセルは出てませんか」と何度も通った事があった。

高円寺のみどりの窓口で「鳥取までの出雲号キャンセル出てませんか」と尋ねたら窓口のおじさんが「おにいちゃん、あんた鳥取のもんか」と聞かれたので「はい鳥取市内です」と答えたら「そうか、おれも鳥取でな～緑町が実家だ」と言われ、ちょうどキャンセルが出たばかりの切符を「しかたないなぁ。これあんたにどうぞ」と切符を頂いた事があった。とっても嬉しかった。あの時のおじさんは今どうしておられるかなぁ。

沢山の思いやドラマを運んだブルートレイン。今、日本でブルートレインはなくなったが、唯一の寝台列車は『サンライズ出雲号』だ。乗ってみたくなった。

東京駅

東京駅ホーム

惜しまれつつ発車

出雲駅DD５１機関車

別れを惜しむ

山陰本線を走る雄姿