平成22年2月 「南無って・・・」
ある法事の席で、「南無ってどういう意味なんですか、なんで南が無いと書くんですか」と尋ねられました。
朝夕に「南無阿弥陀仏」「南無妙法蓮華経」などと唱えている人は多くいると思いますが、意外と知られていないようです。
「南無」とは、インドの言葉「ナマス」が「ナーモ」となりさらに「ナム」となった言葉で、それに漢字をあてはめ「南無」となりました。ですから南無という漢字自体にはなんの意味もありません。
「南無」と辞書で調べると帰依とか恭敬などの言葉が出てきますが、ますます訳がわからなくなります。
「南無」とは、~に従います。身も心も捧げて信じ従います。という事です。ですから「南無阿弥陀仏」は阿弥陀仏様を信じて従います。南無妙法蓮華経は妙法蓮華経という御釈迦様の説かれた素晴らしい教えを信じて従います。という事になります。
以前、永六輔さんが、「南無とはアイ・ラブ・ユーだ」と言っておられました。信じて従う為には、その相手の事をお互いわかりあい、とことん惚れていなければ、繋がり合えないという事です。なるほどと思います。
この素晴らしい「南無」の言葉を家族や友人、そして世の中のすべての人たちに付ける事が出来ると、人と人との繋がりが潤いのあるものになり、暮らしよい世の中に変ってゆく事でしょう。
「南無」、アイ・ラブ・ユーの気持ちで、人と交わり潤いのある暮らしよい世の中を取り戻したいものです。