*甲子(きのえ・ね)の御縁日で『大黒天神祭』をお勤めした。お寺に持ってこられた各家で祀られる大黒さんを、お経を読みながら湯せん(お湯で洗い清め る)する行事だが、その中にかなり古い大黒さんがおられ、見てみると裏側に安政(庚申)の年号が書かれていて、江戸末期約200年ほど前のものである事が 判明した。「こりゃ~代々大切に祀られた大黒さんですな~。お宝ですがな~」という話になったが、祀られた大黒さんも祀って来られた方も幸せな事だと思っ た。
*お参りに来れれた農家の方が、「今年は田植えが遅れとりましてな~、まんだレンゲ草が田んぼにさいとりますだが~」と言われていた。
無知な私はレンゲ草は勝手に生えるのもだと思っていたが、稲がりを終えた時に種を蒔いているとの事だった。
そんなレンゲ草の話をしながら、池上本門寺の酒井日慈山主様の晋山式での挨拶を思い出した。「今朝がた久しぶりに母の顔が思い浮かびました。私は子供の 頃母親から、お前は出来の悪い子です。せめて人様に迷惑をかけない人間になりなさい。お前はレンゲ草におなり、レンゲ草は田んぼの肥やし家畜の餌です。お 前もレンゲ草のように人様に見えない所で役に立つ人間になりなさい。と言われて育ってきました。これからも妙法蓮華(レンゲ)草(僧)でまいります。宜し くお願い致します」と。
お参りの方々に、レンゲ草を見られたらこの話を思いだして下さいと言いながら、感動が蘇ってきた。その時恐れ多くも私もそうありたいと思い願ったが・・・。
田んぼのレンゲ草を見るたび思い出す”妙法レンゲ僧”。一応反省も・・・。