*イナバセレモニーさんのお部屋で、84歳で旅立たれた男性のお葬儀をお勤めした。鍼灸院を営み、聾学校の先生も勤められ平成22年には『旭日単光章』を叙勲されていた。一生懸命こつこつと徳を積み重ねられた84年のご生涯だった。お戒名に鍼灸で積まれた徳(徳)を称え『鍼悳』という字を入れさせて頂いた。
先生は大変な阪神ファンで治療に伺うといつも阪神の話で盛り上がった。阪神の試合を聞くために、有線放送で大阪の毎日放送が聞けるようにしておられ、治療中でもチャンスになると手がとまり、一緒に固ずを呑んで一喜一憂したことを思い出す。目がご不自由でおられたけど、総本山甲子園にも何回か足を運んでおられ、私より選手の事をよく知っておられた。選手の名前を挙げて「この選手は○○高校の出身でしてな~、ほんに、え~球をなげますだ」と嬉しそうにお話しておられたお姿が思い浮かんだ。お棺に沢山のタイガースグッズを納めてもらわれ、ちょっとスマートになられたお顔が嬉しそうに見えた。