今月の言葉

かたじけない

2007年03月01日コメントをどうぞ

kotoba_1903

平成19年3月1日

第一生命保険が、恒例となった「サラリーマン川柳コンクール」の入選作品百編を発表しました。あいかわらず世相をちりばめたユニークな作品の数々です。

「ハンカチで ヨン様卒業 ぼくの妻」。「イナバウアー 一発芸で 腰痛め」。など、昨年話題になった斉藤投手や荒川静香さんにちなんだ作品や、「そのすきま 席ゆずられても 座れない」。と太りすぎを冗談にしてしまう作品。脳を鍛える人気ソフトを題材に「脳年齢 年金すでに もらえます」。妻の前では言えない言葉を、高校の未履修問題に重ね「新妻は 炊事と掃除 未履修で」。犬や冥王星に自分の身を置き換え「犬はいい 崖っぷちでも 助けられ」。「冥王星 なんだか他人と 思えない」など、笑うに笑えない、現実が見え隠れし、考えさせられる作品の数々です。

川柳や短歌などは、言葉の面白さや、味わい深さを考えるきっかけとなり、最近乱れている日本語の勉強にもなり、言葉遊びとしても面白いものだと思います。

そんな中、テレビである時代劇を見ていて、今ではほとんど使われる事のない、「かたじけのうございます・・・」というセリフが耳に止まりました。「かたじけない」などという言葉は、それこそ今は死語になった言葉だと思いますが、みょうに気になりました。

「かたじけない」とは、元来は容貌の醜い意を表す言葉だったそうですが、身にしみてありがたいとか、もったいない、恐れ多いとか、恥ずかしく面目ないなどを意味して、感謝や御礼や反省や、相手を思いやる気持ちも込められ、味わい深く、美しくもあり、とても謙虚な言葉だと思います。こういう言葉を思い出すと世の中少しは、良くなるのではないかと思います。

3月は、お彼岸です。お彼岸は、昼と夜の長さが同じで、片寄らない日を真ん中にした一週間に、片寄らない、バランスの取れた生き方を考え実践する時です。自然や御先祖様に対しても「かたじけない」気持ちを表す時だと思います。

このホームページを開いて頂いて、「かたじけないことです」。

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