平成19年4月1日 「電気の神」
俳優の『菅原文太』さんの「自然・ふるさと・生活再発見」をテーマにした講演を聞きました。
ふなれな鳥取弁の「ばんなりました~」という挨拶で公演が始まり、「トラック野郎」も、おじいちゃんになったなぁと思いながら耳を傾けました。
中国電力の「電気記念日」の講演会だったのですが、今の世の中は、真っ暗闇のない時代で、明るすぎると言われました。真っ暗闇があるから明るさの感じ方が違い、有難さも違う。自分が子供の頃は、電気を点けても、消し忘れると親からすぐに消せ~消せ~と怒られるほど、電気は貴重なエネルギーだった事を振り返られ、電気の有難さを語られました。
今の経済にも触れられ、戦後の日本は、お金だけの復興で心の復興がなされないまま、高度経済成長へと道を誤った。と、憂いを語られ、経済成長の方向性を誤った為、世の中を騒がす事件、子供に関わる事件は、ほとんどが、お金が絡んでいると言われ、確かにお金はあればあるほうが良いかもしれないが、世の中お金とか儲けとか欲の空気ばかりなので、子供たちに、欲のない空気を吸わせてやりたいと話されました。
鳥取には山があり、林業も盛んですよねぇと言われ、ある林業の町で、おじいさんが植えた木を、お父さんが切り出し、孫の学校を創っている事を語り、このように今と昔が上手に繋がった地域づくりになると良いですね。コンクリートの学校では情緒は育たないですよねと、思いを語られ、現代社会は、商業主義からの脱却が大切だと公演を締めくくられました。
ゆっくりとした口調で、じかんの流れもゆったりと感じ、すばらしい講演でした。
日本人は昔から、自然の恵みを「海の神」「山ノ神」と感謝を込めて崇めて来ました。いまや電気のない暮らしは考えられません。電気に感謝を込めて「電気の神」も崇めたいものです。