親類の法事で浄土宗のお寺へお参りすると、本堂に大きな地獄絵図の額が掛けられていました。
その地獄絵図の下で、子供の頃母が、「おまえは、お父さんやお母さんの言う事を聞かずに悪い事ばっかりしとったらな~、地獄で閻魔さんに舌を抜かれるんだからね」と言われた事を思い出しました。
その頃はまだ素直だった私は、閻魔さんという存在が恐ろしくて、そんな事が多少なりともなんかの歯止めになっていたように思います。
ところが、今の子供達に、「閻魔さんに舌を抜かれるぞ~」と言っても、「閻魔さん。誰それ、何処におるの~」となる事でしょう。
そんな事を思うと、世の中から閻魔様がいなくなり怖いものがいなくなり、段々と歯止めがきかなくってきたのが今の現状だだと思います。
「地震・雷・火事・親父」と恐れられた「親父」も威厳や怖さを失ってしまったと思える昨今、閻魔様に代わる怖いものをこしらえて世直しへと結び付けたいものです。