平成21年8月 「お盆」
子供の姿が親に似てくるのはあたり前の事です。よく「変な所ばかり似てくる」などと言いますが、良い所もちゃんと似ているのに変な所ばかり目につくので、そんな言い方になってしまうようです。親の状態が子供に伝わる事を遺伝といいます。この遺伝の情報を伝えるのが遺伝子でDNA(デオキシリボ核酸)という物質です。
このDNAは、重さ2千億分の1グラム、幅は50万分の1ミリという想像もつかない細長い糸のようなものです。そしてこのDNAが細胞の中に折り畳まれていて、この上に生物の設計図の情報が書き込まれ、私達の体はこの設計図に基づいたDNAを持つ60兆個の細胞から出来ています。
私達はこのような人間の知恵では想像も及ばないような、不思議で奇跡的な体を御先祖様から受け継いで今を生きていると云う事になります。
この御先祖様から受け継いだDNAの情報に、私達が生まれてから経験した情報が新たに入力され、次の世代へと受け継がれていくわけです。そう思うと、より良い情報を伝達して子々孫々が賑やかに栄えていけるように考え行動するのも 今を生きる私達の役目だと思います。
盂蘭盆とは、インドの古い言葉「ウランボン」を音写し漢字をあてはめたもので、略して「お盆」となりました。「ウランボン」とは、自分勝手な振る舞いは、廻り廻ってやがて自分に返り、大変な苦しみを受ける事になりますよ。という戒めの言葉です。温暖化の影響を受けている私達人間は、まさに「ウランボン」の状況にあると言えます。
命を繋いで頂いた御先祖や大切な方々に感謝し、今までの事を顧みて、今の現実をしっかりと受け止め、これからの事も考えて、自分勝手な行動を戒め、「ウランボン」にならないような「生き方」を考えましょう。