平成21年7月1日 「おっくう」
初夏をむかえますが、梅雨のさなか蒸し暑い日が続きます。こんな時期は体もだるく何をするにも「おっくう」な気持ちになるものです。
なにげなく使う「おっくう」という言葉ですが、この言葉、実は仏教用語です。
「おっくう」とは数の単位「億」に、「劫」という古代インドの時間の単位が繋がった言葉です。
「劫」とはどのくらいの時間かといいますと、「1劫」の長さは、羽衣をまとった天女が100年に1度舞い降りてきて、一里四方はあろうかという大きな岩山の頂上を羽衣で撫でている状況を想像してみて下さい。そして、その撫でた摩擦で岩山が擦り切れ全部無くなり消滅してしまう時間を「1劫」といいます。
その「1劫」に「億」が付くわけですから、これはもう無限で気が遠くなるような長い時間の事を「億劫」(おくこう)と言います。
元の言葉は「おくこう」でしたが、それが「おっこう」となり、さらに変化して「おっくう」となり、余りにも長い時間の事なので、気が遠くなりやりきれないので、「面倒くさい」というような意味で使われるようになりました。
確かに「おっくう」になる事の多い毎日ですが、平成21年も早いもので半分が過ぎました。この調子で後の半分も過ぎていくかと思うと、「おっくう」になっている暇はありません。
「おっくう」な気持ちになっていると、心も体もネガティブ、マイナス思考になってしまいます。暑さに負けず、「おっくう」な気持ちにも負けず、体も心も元気にポジティブ、プラス思考に毎日を過ごしましょう。