平成22年11月 「喝だ~!」
『渇だ~!』、『あっぱれ~!』と球界のみならず、世の中の御意見番として我々を元気づけてくれた大沢親分の野球一筋78歳の生涯に『あっぱれ!』を捧げたいと思います。
『喝』と『あっぱれ』は同じ意味で使っておられたのではないかと思いました。『喝』は、「しっかりしろ、くじけずに頑張れ」。『あっぱれ』は「良くやった。だが油断せずに頑張れよ」と、双方とも叱咤激励の優しい思いがくみ取れる言葉だったと思います。
大沢啓二さんは、高校3年生の時の甲子園を目指す神奈川県大会で、自信を持って投げた球をボールと判定されたり、確実にセーフだと思ったタッチプレーを二度もアウト判定されて審判の判定に不服を覚え、結局試合は延長戦の末押し出しファーボールでサヨナラ負けしてしまいました。試合後球場のトイレで偶然その審判と遭遇した大沢さんは、もう一人の選手と共にその審判を蹴りつけてしまい、その結果一年間の出場停止処分を受けてしまったそうです。
しかし、後日、大沢啓二さんが蹴りつけた審判が自宅を訪れ、自分は立教大学野球部関係者である事を名乗り、「君のような野球がうまくて元気のある選手が立教大学には必要なんだ」とスカウトし、野球部推薦で立教大学に進学したとの事です。
という事は、大沢さんがこの審判に蹴りを入れていなかったら、後の野球人生は無かったという事かもしれません。人生何が転機になるか分からないものです。
大沢さんの、『喝だ!』。『あっぱれ!』は、なんとなく元気のない今の世の中に対する叱咤激励だったのかもしれません。
この『喝』と『あっぱれ』を自問自答し、元気で明るく活力のある毎日を送りたいものです。