*檀家さんの自宅で、行年88歳の方の25回忌法要をお勤めした。お施主さんが、「おしょにんさん。もうはい、25年になるちゃ~なん信じられませんわいな」と。直訳すると、「御住職さん。母が亡くなりまして、25年をむかえました。月日のたつのは本当に早いものですね」・・・。
お経を始めようとすると、お施主さんが、「”とうば”って、どんなじ~かくですかいな~」と。いきなりだったんで、「え~と、確か~土へんに、くさかんむりかいて~、え~っと」と言っていると、後ろの親戚の方が素早く「下に、合うって書いて、”ば”は波の下に女って書くです」とテキパキと・・・。
そこで、「塔婆って当て字なんですよ。もとはインドの言葉ストゥーパがソトーバになって、当て字で卒塔婆。短縮して塔婆ってなったんですよ。ストゥーパはお釈迦様の御遺骨を安置した石塔で、それを木で代用したんで、上のところにある刻みは、元は五輪の塔ですという事で、五輪の塔をスパット切ったように切れ目が入れてあるんですよ」と。すると皆さんが「ほ~お。そんな事初めて聞きましたわ~」と。ちょっとだけ面目を取り戻した・・・だろうか・・・。