平成17年7月1日
スーパーの店先に夏みょうがを見かける季節になりました。みょうがは独特の香りと辛みで和風料理のスパイスとして重宝されますが、昔からみょうがを食べると「物忘れが多くなる」そんな言葉を耳にします。
お釈迦様のお弟子にシュリハンドクという人がいました。このお弟子さんは、大変まじめで、お釈迦様の教えを一生懸命に聞くのですがすぐに忘れてしまいます。何度聞いても覚えられずしまいには、自分の名前さえも忘れてしまいます。困りはてたお釈迦様とその弟子たちは、せめて自分の名前はわかるようにと、シュリハンドクと書いた名札を首からぶら下げるようにしました。
ところが名札を付けた事さえ忘れてしまい、やっぱり自分の名前すら覚えられません。しかし、それでも、一生懸命お釈迦様について修行を重ねたそうです。
やがて、シュリハンドクが亡くなり、埋葬したところ、其の場所から一本の芽が出て花を咲かせました。その花の事を、シュリハンドクが名札を付けていたつまり名を荷っていたことから、「名を荷う」と書いて『茗荷』と呼ぶようになりました。シュリハンドクが、物忘れの多い人だった事から、「みょうが」を食べると物忘れが多くなる。と言うになりました。
みょうがの成分には難の問題もありません。物忘れが多くなるのは、茗荷のせいではありません。安心して風味を楽しみましょう。
人間時には、忘れる事も大切かもしれません。肝心なのはシュリハンドクのように、人になにを言われようと、自分のできる事を自分のペースで、ぼちぼちとやってみる事です。
みょうがの風味を楽しみ、爽やかに、これからむかえる夏の暑さを、のらりくらりと乗りきる力を養いましょう。このみょうがの話は、どうか物忘れにならないように御願いします。