平成17年6月1日 『ほどほど』
昨年の「高額納税者番付」が公表されました。所得税を10億円以上納めた「大長者」は昨年より4人増え、景気回復の気配をうかがわせたという事です。IT業界やブームに乗った健康・美容業界やパチンコ関連業者が相変わらずの強さを見せる中、常連組を追い抜き、断トツの「大長者」となったのは、「一サラリーマン」清原達郎さんでした。清原さんは巨大マネーを動かす金融界の「サラリーマン」ですが、納税額は36億9千万円で、給与所得としてのトップは初めてで「成果主義」で勝ち取った収入は100億円にものぼったという事です。年齢や経歴は関係なく能力があり、大きな成果を収めた社員には高い報酬が得られるという「成果主義」の現実は、励みにもなるようであり、また色々考えさせられることも多々あるようにも思えます。
いっぽう、先月第一生命保険が募集し発表した「サラリーマン川柳」の上位人気作品を見てみますと、『オレオレに、亭主と知りつつ 電話切る』・『振り込めと 言われたその額 もってない』・『ヨン様か おれは我が家で ヨソ様さ』・『残念!と 俺の給料 妻が切り』・『所得税 所得増えずに なぜ増える』・『ケンカして わかった妻の 記憶力』など、世のサラリーマンの現状はこちらのほうが、より現実味があり共感を呼びます。
いずれにせよ、私たちは厳しい現実の中一日一日を生き抜いていかなくてはなりません。高額納税者にはなって見たい気もありますが、やはり何事も「ほどほど」が良いかもしれません。
お茶を入れた時、薄くて味のないお茶の事を「無茶」。反対に、濃くなりすぎて苦くて飲むと苦しいお茶の事を「苦茶」といいます。「無茶苦茶」とは、ここから出た言葉です。お茶も「ほどほど」が一番美味しいものです。
新緑の季節「新茶」の便りの聞こえるこの頃、なにかにつけて「無茶苦茶」なことの多い世の中ですが、たまには「ほどほど」で美味しいお茶でも飲みながらゆっくりと、「ほどほど」においしい一日を送りたいものです。このホームページを開いたあなた、今日は「ほどほど」に良い日となるでしょう。