NHK BS1で『染みる夜汽車』という番組を見ました。
ある男性が、16歳で両親に楽をさせたいと青森から集団就職の夜汽車で上京し上野駅に降り立ちます。そして町工場に就職し一生懸命働き、やがて東京生まれの女性と結婚します。
二人の子供に恵まれ、子供が大きくなった頃、田舎でみんな一緒に住みたいと両親に家を建てますが、成人した子供達は結婚し東京、横浜にそれぞれ家を構えてしまいます。
孫が出来たけど、孫の故郷は東京・横浜となり、ふるさと青森は遠のくばかり。やがて田舎で帰りを待ち続けていた両親も亡くなり、とうとう誰も居なくなった家は処分することに。
もう故郷には帰らない。ここで電車に乗れば故郷青森に帰れて両親と会えると思いを馳せた上野駅18番ホームは今も故郷に繋がっている。という番組でした。
番組を見終わって、これが現実なんだとちょっと寂しい気持ちになり『ふるさと』の歌詞が思い浮かびました。
🎵いかにいます父母 つつがなしや友がき 雨に風につけても 思いいづるふるさと🎵
🎵志しをはたして いつの日にか帰らん 山は青きふるさと 水は清きふるさと🎵
“ふるさと”は固定した場所のようなイメージがありますが、成人した子供が東京で家庭を持ち子供が産まれるとその子の“ふるさと”は東京。その子がやがて成人し大阪に家庭を持つと、そこで産まれた子の“ふるさと”は大阪です。なので“ふるさと”は移動していくものです。
でも、先祖代々続く命の流れは住む場所は変わってもずっと繋がっています。
今年は新型コロナの影響で、ふるさとへの帰省がままならない状況ではありますが、お盆を迎え、今までの事を振り返り、これからも永遠に続く命の事、考えてたいものです。