繭の穴 | 学成寺
今月の言葉

繭の穴

2007年01月01日コメントをどうぞ

kotoba_1901

平成19年1月1日

今年もまた、生き生きと、生きる喜びしっかりと見つめて、明るく前向きに過ごしていきたいと思います。

ある男が、繭から出ようとしている蝶を前にして、その蝶が小さな繭の穴から出ようと、もがき苦しんでいる様子をじっと見ていました。何度も動きが止まり苦しみもがいている蝶を見て、その男は、これ以上は無理だと感じ、蝶を助けようと繭の穴を少し切ってやりました。そのお陰で蝶は繭から何の苦労もなく出る事が出来ました。しかし、蝶の体は生気が感じられず弱々しく、やがて蝶は、弱々しい羽を引きずり、あたりを這い回るだけで、一度も空を飛ぶ事無く一生を終えてしまいました。

小さな繭の穴から出ようともがく蝶に与えられた苦しみは、蝶が繭から外に出た時にすぐに空に舞い上がれるように、強い蝶を育てる為の自然の摂理であった事を男は知らなかったのです。

この蝶の話は、今の私たち人間の姿にだぶるような気がしてなりません。人間も、過保護に育つと、世間の荒波を乗り越えられない弱い人間になってしまう事でしょう。もうなっているのかも知れません。今の豊かな世の中が、有難い事には違いありませんが、本当の豊かさのあり方、そして自然の摂理、しっかりと考えてみたいものです。

平成18年は、丁(ひのと)・亥(い)歳です。丁は万物がさかんになる事。亥は万物が次の時代の種となる事。というような意味を持ちます。世の中が、人間の営みが、経済が盛んになり、次の時代を養う元気な種(元)となる事が出来るような、豊かで有意義な歳にしたいものです。

亥歳ですが、猪突猛進とならぬよう、時には足元と周りを見ながら、自然の摂理にも思いをめぐらし、スピードを変え、上手に立ち回りましょう。

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