「先祖のお墓が学成寺さんにあると思います」と尋ねて来られた方があった。調べてみると今は無縁さんになっているが、安政とか嘉永とか150年ほど前のお墓が見つかり大そう喜ばれた。
確か同じ名前が本堂にある鐘にも書いてあったと思い確認すると、本堂に置いてある鐘がその方の曾曾おじいさんにあたる方が奉納されている事が判明し、鐘の音を聞きながら、「今日はとても良い日になりました」とこれまた感慨深げにとても喜んでおられた。私もとても嬉しい気持になった。現在でも使わせて頂いているその鐘には、「豊田屋浅右衛門売買繁栄子孫長久の為安政二年
奉納」と彫られていた。今から156年前の事になる。御先祖様もさぞかし喜んでおられる事だろう。
この鐘は昔、盗難にあいもう少しで鉄くずと化してしまうところだったが、寸前のところで発見され奇跡的にお寺に戻って来たと聞いている。御利益のありそうな有難い鐘だ。命の繋がりや、いろんな深い御縁を感じる一日だった。