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 8月12日(土)お盆の事

2023年08月12日コメントをどうぞ

*お盆を迎えるので、「お盆の事」を書かせて頂きました 🙂

お盆行事は下記の①から⑤までの話しが繋がると分かって頂けると思います。

①《留守番》 「お盆には御先祖様はお家に帰っておられるんですから、お墓に行っても留守じゃないんですか?」と尋ねられる事がよくあります。

お盆行事は御先祖様がお墓から家に帰って来られるという状況の元に成り立っていますから確かにお墓は留守という事になります。

昔の人は、「留守のお墓は私達が様子を見に行って掃除してちゃんとお守りしますから、安心してお家に帰っていて下さいね」という気持ちでお墓に行っていました。ですから、お盆のお墓参りには留守番という思いが込められていたという事です。

*外出した時の事を、留まって守ると書いて「留守にする」と言います。自分達は外出して家には誰もいないように見えますが、家には姿こそ見えませんが「留まって守って下さっている方がいる」という意味です。普段家をお留守番をして頂いている御先祖様に、お盆の間くらいは、私達がお墓をお留守番させて頂きますからねという事です。

②《送り迎え》 御先祖様をお迎えに行く時は、ちょうちん(盆提灯)を持ってお墓に行き、お墓のロウソクの火をちょうちんに移し、私達が道案内しますからお家に帰りましょうねと火を消さないように家に帰り、家に祀った精霊棚のロウソクに、ちょうちんで持ち帰った火を移し、「どうぞお帰り下さい」と御先祖様を迎えました。送る時は、逆の事をして送りました。それが、家とお墓が離れ、提灯を持って歩けなくなった為、玄関先で迎え火、送り火を燈し、御先祖様にその灯を目印に帰って来て頂くようになりました。迎える時は、早く帰って来てほしいので馬に見たてたキュウリに乗って、帰る時は名残惜しいので、牛に見たてたナスに乗ってゆっくり帰って下さいねという気持ちを込めキュウリとナスをお供えしました。

我々日本人は、姿が見えない方に対して気持ちを込めやすくする為に、具体的な状況を設定してお盆行事を営んできたという事です。

③《盂蘭盆の意味》 盂蘭盆は、インドの言葉「ウランボン」を音写したもので、略して「お盆」となりました。「ウランボン」とは、自分勝手な振る舞いは、やがて自分に帰ってきて大変な苦しみを受ける事になりますよという警告の言葉です。近年の異常な暑さも我々人間の身勝手な行いが要因の一つといえ、まさに我々人間は「ウランボン」の状態にあると言えます。

④《お盆の由来》 お釈迦様の弟子目連(もくれん)さんが、自分勝手な行為(悪い行い)により餓鬼道に落ち苦しみを受ける母を、お釈迦様の教えに従い7月15日に、沢山の人に施し(良い行い)をする行為によって救った事に由来します。7月は農繁期という事で月遅れの8月にお盆行事が営まれる所が多くなりました。関東では今でも7月にお盆行事が営まれています。

⑤《施餓鬼の事》 餓鬼界に堕ち苦しむ人に施すという事を、餓鬼に施すと書いて『施餓鬼』(せがき)と言います。施し(布施行)をする事で餓鬼界に堕ちて苦しむ者を救い、自分も餓鬼界に堕ちない生き方を考える事が大切です。

お盆の本来の意味を考えるとお墓参りだけがお盆行事ではありません。お盆の機会に、命を繋いで頂いた御先祖に感謝し、自分勝手な振る舞いを省みて、「ウランボン」にならない毎日の生活をちょっと考えてみましょう。

お盆の事

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