今月の言葉

コレデイイノダ

2013年05月01日コメントをどうぞ

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*納骨供養をお勤めされた方が本堂に置いてある『コレデイイノダ』というカードを見られて、「これはどういう事ですか」尋ねられた。

そこで、法要後に、「赤塚不二夫さんのギャグですけど深い意味があるんですよ。赤塚さんのお葬儀でタモリさんが読まれた弔辞が素晴らしかったんです。私達は思うにならなず否定したくなるような事の多い毎日を送っています。しかし、否定ばかりしていたんでは何事も前に進んで行きません。赤塚さん貴方は、思うにならない事をちゃんと受け止め次につなげていく為の素晴らしい言葉を私達に教えて下さいました。コレデイイノダ。ありがとうございました。という弔辞だったんです」とお話しさせて頂いた。

さらに、御遺骨を前に、「人間命を頂いた以上は、必ず皆がこの姿になるんですよね。ですから、この姿もコレデイイノダですよね」とお話しした後、納骨の運びとなった。

すると、お施主さんが、お母様の御遺骨をお墓に納めようとされた時、お骨ツボに向かって手を合わされ、「コレデイイノダ」と・・・。

ギャグの一つにしか思っていなかった『コレデイイノダ』。あらためて素晴らしい言葉だと感動する出来事でした。

このホームページを見て頂く事も、『コレデイイノダ』・・・。

神様の足跡

2013年04月01日コメントをどうぞ

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ある人が自分の人生を振り返った時に、自分の足跡と一緒に神様の足足跡を見つけた。神様がいつも一緒にいてくれた事に気付いた。

でも、時々足跡が1人だけの時があった。それは自分が苦しくてつらい時だった。

「神様、どうして神様は私がつらい時に私を1人にしたのですか?」

「それは違うよ、あなたがつらい時、私はあなたを背負って歩いていたからだよ」・・・。

『神様・仏様・ご先祖様 私達を見守って下さる見えない”様” それを ”お陰さま”』といいます。

”お陰さま”に感謝したいものです。

笑顔にまさる 化粧なし

2013年03月01日コメントをどうぞ

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*交通安全週間や緑の週間などがあるように、昔の人が『生き方を考える週間として作ったのが『お彼岸』です。

お釈迦様のおしえの片寄らないバランスの取れた物事の考え方、真ん中の道を書いた『中道』を元として、昼と夜の長さが同じ片寄らない日を真ん中に前後3日間を加え、この間に生き易く生きる3つの方法を実践しようとしたのが『お彼岸』です。

その6つの教えとは、1、着を捨てる・手放す事(布施行) 2、常識的なルールを守る事(持戒) 3、ちょっと我慢してみること(忍辱) 4、自分なりに頑張って見ること(精進) 5、心を穏やかに保つこと(禅定) 6、正しく物事を判断する事(智慧)  です。

一見簡単そうに出来そうな事もありますが、その簡単そうな事を実践するのが一番難しいという事です。

それらの中、人間を惑わす一番の根源は、執着する事です。物に執着する事からむさぼりがおこり、判断を誤ったり頑固になったりします。誰しも思い当たるふしがあります。

執着する心から解き放たれる為に、手放す事、優しい言葉をかけること、笑顔で人に接することから始めてみましょう。

60歳からの川柳

2013年02月01日コメントをどうぞ

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サラリーマンの悲哀を綴った『サラリーマン川柳』がありますが、全国老人福祉施設協議会が毎年公募している『60歳からの川柳』がある事を知りました。

『イクジイを 目指すも我が子 まだ未婚』 『長風呂を なんども呼ぶな 生きてるぞ』 『いい人は 短命よねと 老妻(つま)がいい』 『「先逝くな」 妻がつかさず 「先どうぞ」』 『若づくり 席を譲られ 意気消沈』などなど。

おもわず笑ってしまう作品もありましたが、いずれも決して他人事とは思えない厳しい現実が見え隠れする作品の数々でした。

そんな川柳を見ながら、『若者は家のチカラ 老人は家のタカラ』という言葉を思い出しました。

まだ寒さは続きますが、立春をむかえ季節は春に向かって動いていきます。日蓮聖人の言葉に『いまだ見ず聞かず 冬の秋と帰れることを 冬は必ず春となる』という言葉があります。

冬は必ず春となる。心強い言葉です。歳を重ねるのは、みんなが行く道です。家のタカラとなれるように頑張りたいものです。

蛇足

2013年01月01日コメントをどうぞ

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毎歳が生まれて初めての歳。イキイキと生きる2013年の初春。あけましておめでとうございます。

2013年は『癸』(みずのと)『巳』(み)歳です。『癸』には、「萌える」という意味があり、『巳』には「盛りを極めて実を結ぶ」という意味があります。上手に萌えて実を結ぶ歳としたいものです。

昔中国の楚という国でのお祭りの時、数人の若者が酒盛りを始めようとしましたが酒の量が少なかった。そこで、早く蛇の絵を描いた者から酒を飲めるようにしようと決めました。その中の1人が蛇を書き終わって、「さあ、私が酒を飲むぞ」と言いましたが、その絵をよく見ると蛇の絵に足があり、すったもんだしているうちに他の者が早く蛇を書き終わり、その男は酒を飲み損ねたという事です。

以来いらないものを付け加えると、せっかくの物が台無しになってしまうというたとえになり『蛇足』という言葉になりました。

この今月の言葉、それこそ蛇足にならないように心がけたいと思います。今年も宜しくお願い致します。

どうにかなるさ

2012年12月01日コメントをどうぞ

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12月8日は何の日でしょう?。パールハーバー第二次世界大戦の始まった日、元ビートルズのジョンレノンが凶弾に倒れた日。そして8日はお釈迦様た悟りを開かれた日です。そんな素晴らしい日に戦争を始めたり人の命を奪ったり、ほんとに人間は愚かな生き物だと思います。

この日には仏教会では『成道会』(じょうどうえ)という法要が営まれます。

お釈迦様が悟りを開かれた姿を描いた絵には、静かに座っておられるお釈迦様に数本の矢が飛んできて当たっている様子が描かれています。

しかし、下の方を見ると飛んできた矢がお釈迦様に当たると、なんと花びらとなって舞い落ちています。

飛んできた矢を投げ返すから戦争となるという事です。

自分に飛んできた矢を花びらに変える。なかなか出来る事ではありませんが、でも同じ事を繰り返していては、いつまでも穏やかな日々は訪れません。

忙しく慌ただしい年の瀬をむかえますが、慌ただしいという字は、心が荒れるという意味があり、忙しいという字には、心を亡くしているという意味があると言います。

いつも以上に落ち着いて「どうにかなるさ」くらいの気持ちでちょうどいいかもしれません。

今年一年を「花びら」に変えて、あたらしい歳を向かえましょう。

IT’S UP YOU お前次第だよ

2012年11月01日1件のコメント

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NHKの番組『矢沢永吉63才のメッセージ』を見ました。デビュー40周年をむかえる矢沢永吉さんの言葉は実に味わい深いものでした。

「欲を持たなきゃダメ。欲のない奴はダメ」と言い切る矢沢さんはさらに語ります。

「ただひたすら40年。まっすぐ直球勝負でライブを行い同じ事を繰り返してきたけど、そんな中でも戦っている。これで良かったのかなと。仕事ってそういうもんだよね」

「僕は臆病なんですよ。臆病だから常にチェックしながら、あたらしいものを取り家れ、臆病だったからゆえにガムシャラにやってきたんですよ」

「今の世の中、こじんまり生きて行くのが主流。だけど俺は違う。言いたい事は言う、言った事には責任を持つ。それが、矢沢流の生き方」

新曲『IT’S UP YOU』(お前次第だよ)で、♪こじんまり生きてりゃショボイだろ~♪ と歌う矢沢永吉さんはおん歳63才。

山あり谷あり、辛苦を積み重ね、イキイキと生き切る矢沢永吉さんの姿に感動しました。

”お前次第だよ” 心にしみる言葉です。自分の人生は自分次第。頑張りましょう。

マーティ・フリードマン

2012年10月01日コメントをどうぞ

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鳥取砂丘オアシス広場でのイベント『とっとり音楽祭』で、最近はバラエティー番組でも活躍されているあのスーパーギタリストのマーティ・フリードマンさんのライブパフォーマンスを観ました。

邦楽カバーの名曲『天城越え』で始まったステージは、「ギターは言葉は発しないけれど、ギターの音色で私の心を伝えたい」というフリードマンさんの、うなりをあげるギターサウンドは素晴らしく、『天城越え』のメロディーは、♪天城~ ごおえ~♪と、ほんとうにギターが歌っているように聞こえました。

演奏後の質問コーナーも素晴らしく、「1日どのくらいギターを弾くんですか」という質問には、「今まで沢山弾いて来ましたから、普段はほとんど弾きません~。経験を沢山積むと、いろんなトラブルに対応する力が養えるんですよ」

「いろんな分野で活動されていますが、今まで後悔した事はありますか」という問いには、「後悔は全然ありませ~ん。本業以外の体験をいっぱいしたいんです。全部勉強になりますからね」

「日本語がお上手ですが、我々が英語を学ぶ時のコツはありますか」の問いには、「どうでも英語を話さなければならない環境に身を置く事です。何事も実践です」。などなど、普段の生活にも繋がる素晴らしい話の数々でした。

トークを聞きながら、沢山経験を積んで、トラブルに対応する力を養い、そして全然後悔してませんと言える日々を送れたら素晴らしいと思いました。

絵本 『地獄 じごく』

2012年09月01日コメントをどうぞ

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今、巷で話題になっている、絵本『地獄・じごく』を見ました。この絵本は、千葉県にある延命寺というお寺に所蔵されている地獄絵巻を元にして構成された本です。

閻魔さまの裁きを受けた結果、
「ウソをついたり、やくそくを破ったものは、この釜ゆで地獄で繰り返し煮られるのじゃ」
「いい子ぶって、告げ口をしたり、ほかの人を馬鹿にして悪口を言った者は、針地獄へ落とされるのじゃ」
「他の人の話をちゃんと最後まで聞かずに、自分勝手な振る舞いをする者は。火の車で地獄中をひきまわされるのじゃ」
「他の人に、親切にせず感謝もせずに、素直に有難いと思わないものは、龍の口地獄に閉じ込められる」

などなど、思い当たるドキッとする状況が描かれ、恐ろしくリアルな絵が続きます。

子供がこの本を見た感想として、「僕は地獄なんてないと思う。いくらあっても行きたくない」。「僕は死んだら嫌だなぁと思った」。「ウソをつかないようにしないと」。などといった感想が載せられ、本の帯には『うちの子は、この本のお陰で悪さをしなくなりました』と書かれていました。

怖いものがいなくなってしまった今、昔はなんだかの歯止めになっていた閻魔さまを復活させるか、それに代わる今風な怖いものをこしらえる必要があると思います。

それにはまず、今の世の中をつくってきた我々大人が”悪さを”しないようにする事が、世直しの第一歩だと思います。

絵本『地獄 じごく』 大人にも是非見てもらいたいと思います。

素直な気持ち

2012年08月01日2件のコメント

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ある方から、「お盆には、御先祖様は家に帰っておられるから、お墓は留守ですよね」と尋ねられました。確かにその通りで、お盆はそう言う状況設定の元に成り立っていますから、お墓は留守という事になります。

お盆のお墓参りには、留守のお墓は私達が掃除をして灯りをともして、ちゃんと様子を見ておきますからねという留守番の思いが込められていました。

外出して家を開けた時の事を英語では「アブセント」と言います。まったく誰もいないという事です。同じ事を日本語では「留守」と言います。自分達は外出して誰もいないように見えるけれども、姿は見えないけれどちゃんと「留まって守ってくれている御先祖様がいる」という事です。

心がホットして、なにかしら素直な気持ちになる。『お盆』って不思議な季節だと思います。

盂蘭盆とはインドの言葉「ウランボン」が語源で略して『お盆』となりました。その意味は、逆さまに吊り下げられたような苦しみを受けているという意味で、自分の都合ばかり考えた行動はやがて自分に帰ってきて大変な事になりますよという戒めの言葉です。

温暖化などの影響を受ける我々人間はまさに『ウランボン』の状態だと言えます。

この機会に素直な気持ちになり日々の行い考えたいものです。

だがしかし、なかなか素直になるのは容易ではありません。であれば、素直に、「Hard to say I’m sorry・・・」