今月の言葉

母がいて(8月分)

2016年09月09日コメントをどうぞ

2016_08

「お盆って御先祖さまはお墓から家に帰ってるんですからお墓は留守ですよね」と尋ねられました。

お盆はご先祖さまを家にお迎えしますからそういうことになります。昔の人は留守のお墓は私達がお守りしますから安心して家に帰っていて下さいねという思いでお墓に参っていました。

ですからお盆のお墓参りには留守番という意味がありました。家に誰も居ないことを留まって守ると書いて留守と言います。これは姿こそ見えませんが家には留まって守って下さるご先祖さまがおられるということです。普段家を留守番して頂いているのでお盆くらいは私達がお墓を留守番しますということです。

盂蘭盆の語源はインドの古い言葉『ウランボン』で、その意味は自分勝手な行いはやがて自分に帰って来るという戒めの言葉です。温暖化など環境の変化に苦しむ私達はまさに盂蘭盆の状態にあると言えます。命を繋いで下さったご先祖様に感謝し自分勝手な行い反省し、盂蘭盆にならない生き方を考える時。それが本当のお盆です。

おっくう

2016年07月01日コメントをどうぞ

2016_07

初夏を迎えますが、梅雨の蒸し暑い日が続きます。こんな時期は体もだるく何をするにも「おっくう」な気分になります。

何気なく使う「おっくう」という事場ですが、この言葉実は仏教用語から出た言葉です。

「おっくう」とは数の単位の「億」と、「劫」という古代インドでの時間の単位が繋がった言葉です。

「劫」とは時間の長さを表しますが、「1劫」の長さは、なんと、羽衣をまとった天女が1年に1度舞い降りてきて、一里四方の岩を羽衣でなでて、それを繰り返す事によってその岩が磨り減って消滅する時間を表します。その「劫」に「億」が付くわけですから、これはもう気の遠くなるような長い長い時間の事を「億劫」と言います。

「おくこう」が「おっこう」さらに「おっくう」となり、あまりにも長い時間の事なので、面倒くさいというような意味で使われるようになりました。

「おっくう」になる事も多い毎日かもしれませんが、そんな気持ちでいると、マイナス思考になり気持ちもしぼんできます。「おっくう」にならないように、体も心も元気に前向きに毎日を過ごしましょう。

成仏

2016年06月01日コメントをどうぞ

DSC_2312

一般的に『成仏』という言葉は亡くなられた時に使われます。

『成仏』という字は、仏に成ると書きます。なので仏の状態になる事が『成仏』という事です。

では、仏に成るとはどういう状態のことでしょうか。本来『仏』とはお釈迦様の事です。なのでお釈迦様の状態になる事が『成仏』です。

お釈迦様は、この世は決して自分ひとりでは生きる事は出来ない。すべての事柄は『縁』によって生じ、『縁』によって成り立つという事を悟られ、イキイキと生きる為の情報を発信し、自らもイキイキと生きられた方です。

ですから、その状態になる事が『成仏』です。なので『成仏』とは、本来「良かった、嬉しかった~」と、イキイキと生きる喜びを感じた時の事になります。

日々の生活の中で、そんな事をなかなか感じる事が出来ないので、せめて亡くなったらそんな状態になりたいという事から、亡くなった時の事を『成仏』というようになってしまいました。だかしかし、死んでから『成仏』したのでは遅いです。

自分の気持ちひとつで、どのような時でも幸せを感じる事は出来るはずです。イキイキと生きて毎日『成仏』しましょう。

れんげ草(僧)

2016年05月01日コメントをどうぞ

2016_05

田植えを前に、田畑に『れんげ草』が綺麗に咲いています。れんげ草を見るたび、師匠僧多聞さまの話を思い出します。

「私が子供の頃母が“お前はれんげ草におなり。れんげ草は田んぼの肥やし、家畜の餌です。お前も、世間様の肥やしとなり餌となって人様のお役に立つように努力すれば、お前のような人間でも、この世に生まれてきた甲斐を見つける事が出来るというものです」と。それで、僧侶の『僧』とれんげ草の『草』をかけて「以来私は心して『れんげ草』の人生を歩んできました」と語っておられたました。

そんな『れんげ草』の花言葉は、『実り多い幸せ』。田んぼの肥やし、家畜の餌である『れんげ草』が『実り多い幸せ』・・・。なるほどと思います。

私達も『れんげ草』のような人間になりたいものです。

桜の木

2016年04月01日コメントをどうぞ

DSC_2270

桜の花が咲きいよいよ春をむかえました。

この綺麗な桜の花をフィリピンの人達にも楽しんでもらいたいと、フィリピンに桜の木を持ち込んだ方がおられたそうです。最初の年は花が咲いたそうですが、次の年から花が咲かなくなり、それ以降花が咲く事はなかったそうです。

気候の良いフィリピンで何故咲かなかったというと、フィリピンには冬がないからです。桜の木は寒い冬をじっと耐える事によって、綺麗な花を咲かせる事が出来るのだそうです。

人間も同じ事がいえるような気がします。私達も桜に負けないように綺麗な花を咲かせましょう。

バランス

2016年03月01日コメントをどうぞ

DSC_2248

交通安全週間があるように、昔の人が「生き方を考える心の週間」としたのが、『お彼岸』です。

お彼岸の中日は昼と夜の長さが同じで片寄らないバランスの良い日です。この事をお釈迦様の教え、片寄らないバランスの取れた考え方や行動は生き易く生きる為の一番の方法ですという『中道』に重ねたのが『お彼岸』です。

先日車を運転していたら、左のウインカーが故障して付かなくなってしまいました。しばらく窓から右手を出して折り曲げて左折の合図を出していましたが、段々怖くなってきたので、右折のみでお寺へ帰ろうと覚悟を決めて車を走らせました。その時に、「右往左往しているうちは、まだ良い。右往だけになったら大変だ」と思いました。真ん中にいるからこそ、左右が見渡せて正しい判断が下せるというわけです。これこそ『中道』の教えだと感じました。

気候のバランスも良くなり、人間の頭も冴えるといわれるお彼岸の頃、日々の生活や心のバランスを修正し生き易く生き方考えたいものです。

ななゆき

2016年02月01日コメントをどうぞ

DSC_2158

立春を迎え、季節は春に向かって動きはじめました。

「節分過ぎて ななゆき」と言う言葉があります。この言葉は、節分が過ぎてもまだ7回雪が降らないと、まだまだ温かくなりませんよ。と思われています。

ところが、『ななゆき』の『ゆき』とは降る雪の事ではなくて、何処何処へゆくの『行き』と書きます。『1行』は1週間の事ですから、『なな行』とは、1週間が7回行くということで49日間の事になります。

なので、本来の意味は、節分が過ぎても1週間が7回行かないとまだまだ温かくなりませんよ。という事です。

降る雪を7回数えていても、いったい何時になったら温かくなるのか分かりませんが、節分から『ななゆき』49日経つとちょうどお彼岸があけ、そこで『暑さ寒さも彼岸まで』となるわけです。昔の人はうまいこと言ったものだと思います。

ということで、まだまだ寒い日が続くと思いますが、寒さに負けないように元気に過ごしましょう。

毎年が生まれて初めての歳

2015年12月31日コメントをどうぞ

DSC_2057

新年あけましておめでとうございます。毎年が生まれて初めての歳。今年もイキイキと生きましょう。

平成28年は、丙(ひのえ)・申(さる)歳です。

丙(ひのえ)は、物事の本質が明らかになり、積極的、活発に活動していく事。という意味があります。

申(さる)は、万物が出来上がり、新しい勢力が出てきて伸びてくる。という意味があります。

これらの事から平成28年は、いろんな事が活発になり、伸びていく歳という歳まわりになります。

このことを踏まえ、良い事が活発に伸びていくように、今年も元気に一日一日をイキイキと積み重ねていきたいものです。

今年も宜しくお願いいたします。

あわてない あわてない

2015年12月01日コメントをどうぞ

DSC_1828

俳優の川島なお美さんは多くのメッセージを残して54歳の若さで旅立たれました。

川島なおみさんのブログには、「人は幸せだから笑顔になるんじゃなくて、笑顔だから幸せになるんだという言葉が好き」

自分が出演するミュージカルの台詞の中から、「洗濯物が風に身をまかすように人生だってまかせよう 時が流れ洗濯物が乾くように 涙だって乾いて行く さあ元気だせ」 これが今一番自分に染み入る歌詞です。

と綴られていました。

限りある命を、しっかりと前を見据え全うされた川島さんの言葉は、私達の心に染み入る言葉です。

何かと慌しい歳の瀬をむかえますが、あわてることなく笑顔をもって過ごし今年一年を締めくくりましょう。

覚悟

2015年11月01日コメントをどうぞ

DSC_1688

松山千春さんのコンサートを見に行きました。歌はもとより、松山千春さんの語る言葉の数々に感動しました。

松山さんいわく、「今、私達に一番足りないものは覚悟です。こんな理不尽な事が多い世の中、覚悟無しでは生きていけない。仕事上での覚悟、男は男としての覚悟、女は女としての覚悟。覚悟して生きていってください」

「我々は、若い者達に間違ったメッセージを送ってきてしまいました。腫れ物にさわるように、それもあり、それもいいと。これからはっきりと伝えていくべき事は、それは無し、それはダメ」

「千日回峰行を二度達成した酒井阿闍梨に、会った時、酒井阿闍梨が、私は山の中で滝に打たれたりして修行をしてるだけです。松山千春さんあなたは、俗世間にドップリと使って生きておられる。あなた方が凄い修行ですよと、言われましてね〰」

聞きながら日蓮聖人の「極楽百年の修行は、穢土1日の功に及ばず」という、極楽でいくら修行してもこの世での修行には及ばないという言葉を思い出しました。

さらに、「見返りを求めず、人を愛する人間になりましょう」などなど、相変わらず、ヘタなお坊さんよりよっぽど心に残る言葉の数々でした。

アンコールで名曲『大空と大地の中で』を観客と大合唱し感動の中、コンサートは幕を閉じましたが、毎回、今回は最高だったなぁと思わせるコンサートを続ける松山千春さんは、まさにプロフェッショナル。ほんとに凄いと思いました。

今年もあと2ヶ月となりましたが、覚悟を決めてイキイキと過ごしましょう。